シンクロナイズ堂いちおしの作家さんを紹介する[CREATORS]記念すべき第一回は、“たれ耳うさぎ”グッズの世界をリードするシアトル発の「Lopshop」さん。ある日、店主がひょんなことからたどり着いたそのFlickr(有名な写真共有サイト)には破壊力抜群の“たれ耳”写真がわんさか。ぬおーっとすっかり目が離せなくなってしまったところで写真の主がグッズ制作をしていることが判明。すぐさまお便りを出してお話ししたところ快くグッズ販売のOKをいただきまして、めだたく正規販売店として当店でLopshopさん謹製のグッズを取り扱うことと相成ったのでございます。
祝日本初上陸!かつ当店で扱う雑貨の取引先で唯一日本語が通じる!ということでたれ耳うさぎグッズのLopshopさんのインタビューです。(7.July.2010)
ミニマムなものが好き
こんにちは。まずは自己紹介をお願いします。
こんにちは。たれ耳うさぎのグッズを作っているmigimatronicaと申します。
2002年からシアトルに住み、2005年からたれ耳うさぎと一緒に暮らし、たれ耳うさぎのグッズを制作販売する「Lopshop」を2009年4月にオープンして現在に至ります。
作っている作品やグッズの種類を教えてください。
たれ耳うさぎをモチーフとした作品で、Tシャツ、コットンバッグ、オリジナルの生地を使用した布小物、アクリルで制作したネックレスやキーリング、缶バッジなどです。
しゃ、社長~!
キャラクターデザインやイラストレーションだけでなくトータルのデザインセンスも素敵なのですが、影響を受けた(または好きな)スタイルはありますか?
ありがとうございます。基本的にはミニマムなものがとっても好きです。例えばロゴばかりを集めた本などを眺めるのが好きです。たまに全く想像もつかないような所からデザインのヒントを得る場合があるので、そういうものも見逃さないよう色んなものに興味関心を持つようにしています。
影響を受けた(または好きな)アーティスト、クリエイター、ミュージシャンなどいますか?
影響はさておき、好きな画家ですと、ヒエロニムス・ボス、オーブリー・ビアズリー、パウル・クレーなどです。こちらに来てからは、日本美術にも興味がありますし、学ぶべき所が多いです。家紋のデザインもすばらしいと思います。ミュージシャンならT・Rex、The Who、The Jam、Joy Division、The Smithsあたりが周期的に聴きたくなります。
お父様がイラストレーターとのことですがお父様からの影響はありますか。(もしかして誰でも知ってるような方でしょうか……)
幼少時は父と一緒に絵を描いて遊び、油絵の具が扱えるようになってからは本格的に教えてもらいました。小学時代はとにかく絵を描くのが三度の飯より大好きでした。そういう事がなければ絵自体を描いていたかどうか、また今こんな事をしているかどうか、ちょっと分かりません。現在では、新しいデザインを制作した時に父からアドバイスをもらったりしています。(ダメだしが多いので聞かない方が楽なのですが。笑)
父はすでに現役を引退していますし、一般に名の通ったイラストレーターではありませんが、長年広告や書籍中心の仕事をしていたので、父の作品を目にした事がある方はいらっしゃると思います。
缶バッジのサイト「Little Badge Girl」を お持ちですが、缶バッジはどんな方に人気ですか。
こちらのサイトではカスタム・バッジの注文が多く、ペットのオリジナル缶バッジや、また地元のバンドがバンドの宣伝やら販売するCDのおまけ等に使う目的でカスタム・バッジを注文してくれます。
これから作りたいものはありますか?
オリジナル生地を使った雑貨類は色々と作ってみたい野望があります。また、Tシャツやコットンバッグ等もデザインをもっと増やしていきたいです。
しゃ、社長?
“たれ耳うさぎ”はシアトルにいた!
アメリカ(シアトル)での暮らしはいかがですか。
まず最初に人ごみのストレスは全くないです。逆に渋谷等の人ごみが恋しくなりもします。ちょっと刺激が足りない部分はあるし、欲しいもの、必要なものが簡単に見つからないという不満がないでもないですが、周囲を海と山と湖に囲まれ、全体を通してみると暮らしやすい街です。
また、住んでいる地域は面白い人が多くて、町人観察は飽きません。バレンタイン・デーには真っ赤なミニのドレスを着た男の人たちがマラソンやっていたり、ヒーローコスプレで歩いている人、真夏にプードルのぬいぐるみがついたイヤーマフを装着している男性、会うたびにヒゲや髪の毛、スーツや帽子を含めた全身の色が赤や紫等に変色する人など…ある意味刺激的な人々がいます。
典型的な1日を教えてください。
完全にうさぎ中心の生活ですね! もはや奴隷と言っても過言ではありません(笑)。ちょっと外出しても数時間後にはうさぎが心配で帰宅なんて事もざらです。それ以外はデザインのアイデアを練ったりスケッチしたり、また家人の仕事の手伝いをしています。
好きな食べ物はなんですか?
現在夏なのに暑苦しいですが、ことこと煮込んだ系料理が好きです。ボルシチ等があるロシア料理のお店に行くとなぜかホッとします。アメリカにはお惣菜系のパンがありませんが、ロシアのお店に様々な種類のピロシキがあります。さながら日本での総菜パンといった所です。あとは甘過ぎない甘いものが大好きです。こちらで甘いものというと、歯が痛くなりそうな程甘いものがあるので要注意ですが、洋梨のタルトならわりと外れがないので、好んで食べています。
お酒は飲みますか?
お酒を飲むと顔が赤と白のまだらになり、さらには笑いながら人をバシバシ叩いた挙げ句に寝てしまうので忌み嫌われています。平たく言うと飲めません(汗)。
今一番関心のあることはなんですか?
色々とモノを集めていますが、その中の一つに切手があります。これまではウチに届く郵便に貼ってある切手で満足していたものの、最近では自ら購入し始めて泥沼になりつつあります。キリがないです(汗)しかし、あの小さな空間で広がる世界があまりにも魅力的で無限なのでやめられません。
社長!?
ウサギさんとの出会いはいつですか。
2005年、7月です。アメリカではペットショップ店内で生体を扱う所が少ないのですが、たまたま行ったペットショップはうさぎの生体を扱っており、そこで実際に触ってみてすっかり骨抜きになってしまいました。
ウサギさんのお名前は。社長?(笑)
フルネームがプロップ・ラクリッツ・ヴィシャスで、あだ名が社長です。プロップというのはスウェーデンのチョコレートの名前からもらいました。ヴィシャスは、特にシド・ヴィシャスからではなく、来た当初結構乱暴ものだったので付け足しました(笑)。
どんな性格ですか。
寂しくても死にやしませんが(笑)、結構寂しがり屋です。24時間放牧なので、夜気がつくと私の枕元に寄り添って寝ているなんて事もあります。廊下ですれ違う時は私の足下を鼻先でツンツン触って挨拶してくれますし、嬉しいと首を振りながらジャンプして走り回ったり、機嫌を悪くさせるとブッ!と怒ったり、色々な顔を見せてくれます。
「たれ耳好き」が集まるコミュニティなどがあるのですか?
私の知りうる限りでは、たれ耳うさぎにくくらなければbunspaceというサイトで大勢のうさぎ飼いさんが交流しているサイトはあります。もし、たれ耳うさぎのみのコミュニティがあったら、是非参加したいです(笑)。
ぜひ「たれ耳さん」を飼ってみたいのですが初心者は手始めにどうしたら……。
まず一番最初にする事は、自宅の中をチェックでしょうか。ケージから放牧させた時にうさぎに安全な空間が作れるかどうかなど確認です。また、うちの場合は一年に一回以上は獣医さんに連れて行くので、獣医さんの費用が… あとは万が一を考えて保険に入るに越した事はないです。また、人間側に牧草アレルギーが出る場合があるので、もしアレルギーが出てしまったとしてもうさぎと一緒に過ごせるような生活の工夫と愛情が必要です。しかし、うさぎのかわいさは何ものにも代え難いです。
「社長」の写真が秀逸ですがどうしたらうまく撮れますか?
私が写真をアップしているFlickrには本当に素晴らしいうさぎ写真が多く、そういう写真を見ると「もっと頑張ろう!」と思うのですが……。取りあえず、カメラは常に手元に置き、シャッターチャンスをなるべく逃さないようにはしています。でももうちょっと写真の腕を磨きたいです。
社長っ。
今後の活動を教えてください。
来年はうさぎ年なので、うさぎ年スペシャルを色々用意したいと目下思案中です。また、近い将来個展ができたらとも思っています。
当店のお客さまにひとことメッセージをお願いします。
シンクロナイズ堂さんを通して、私のTシャツや商品が日本の皆さんに使っていただけると思うと、本当に感無量です。そして、一人でも多くのお客さまにたれ耳うさぎの魅力が伝わると嬉しいです。欲しいと思っていただけるような商品を作れるよう、頑張ります!
BIOGRAPHY
- creator: migimatronica
- location: Seattle
- website: http://lopshop.net/
- history: イラストレーターの父の影響で幼少時から絵を描き始める。8才で油絵をスタート。12才で全日本学生油絵コンクール(学展)にて優秀賞を受賞。大学は文学部に入学し国文を学ぶ。この時、学芸員の資格を取得。卒業後、都内出版社でDTPデザイナーとして勤務しながら、武蔵野美術大学短期大学部通信教育課程でグラフィック・デザインを学ぶ。現在はアメリカ・ワシントン州シアトルに場所を移してウェブ制作やCD、レコード・ジャケット等のデザインに従事。2006年、缶バッジ製作所“The LIttle Badge Girl”をオープン。2008年秋、オリジナル・デザインのたれ耳うさぎグッズ・サイト“Lopshop”オープン!
そんなこんなでシアトルでたれ耳うさぎの社長(笑)と暮らすmigimatronicaさんがつくるLopshopのたれ耳グッズはコチラで購入できます。