越前萬歳 / 斎藤槻堂
越前萬歳
1969。ハードカバー。
福井県越前市に伝わる伝統芸能(民俗芸能)「越前万歳(えちぜんまんざい)」
昭和四十四年五月三日発行
発行者:武生市越前万歳保存会
著者:斎藤槻堂
<非売品書籍>
コトバンクより
福井県越前(えちぜん)市野大坪(のおおつぼ)に伝承する万歳。野大坪万歳ともよばれる。江戸時代は毎年元旦(がんたん)に越前の福井、鯖江(さばえ)、加賀(石川県)の金沢、大聖寺(だいしょうじ)などの藩城に登城していたという。越前には継体(けいたい)天皇にまつわる伝承が多く、万歳も例外でないが、不詳である。ただ野大坪は靭舞(うつぼまい)に関する名称とされ、古い来歴をもつものだろう。太夫(たゆう)と才蔵各1人ずつの「ことぶき万歳」「扇づくし」、才蔵が複数の「三番叟(さんばそう)」「木やり万歳」「さいとり万歳」、両方とも複数の「舞込お家万歳」などがある。太夫は侍烏帽子(さむらいえぼし)、舞鶴(まいづる)の素袍(すおう)、手に扇、才蔵は大黒頭巾(ずきん)、着付(きつけ)、袴(はかま)、手に万歳太鼓が基本だが、曲によって叺(かます)帽子、蝶々薙刀(ちょうちょうなぎなた)帽子をかぶる。舞、しぐさ、語りとも早いテンポで軽快である。
[西角井正大]